第16章 autumn wedding ( 青城3年組 )
もし、この均整が崩れたら・・・
私はもう、きっとみんなといるのが・・・辛くなってしまうから。
みんなと一緒に居られなくなってしまう日々を考え、切なくなる。
なのに、目の前の素敵な光景からは・・・なかなか目が離せない。
いつの日か・・・
私にもう少し、勇気が出たら。
その時は、ねぇ神様?
少しだけ、少しだけでいいから・・・そっと背中を押して下さい・・・
そしてその未来で私の隣にいるのは、あの人であって欲しい・・・と、切に願う。
そっと目を閉じて、大きくゆっくりと息を吐く。
よし、気持ちの切り替え終了。
こんなのずっと眺めてたとか知られたら、きっと死ぬほどイジられる!
まだ4人は足止めされてるのかな?
そう思って振り返ると。
『う、わぁっ?!な、何してるの4人とも!!いいい、いつの間に後ろに?!』
私の真後ろには、ニヤニヤしながら腕を組んで立つ4人の姿。
全然気が付かなかったよ・・・
及「随分と熱心に見てたけど、堪能した?」
『黙れ及川・・・』
岩「女ってホント、こういうの好きだよなぁ」
『う、うるさいよ岩・・・』
花「ま、紡もちゃんと女だって事だな?」
『花・・・ケンカ売ってんの?』
松「・・・・・・」
『松!黙られたら余計に恥ずかしいでしょ!せめて何か言ってよ!!』
松「・・・着たいのか?」
『そりゃ着・・・あぁもう!みんなうるさーい!!・・・先行くから!』
恥ずかしいのを隠すために、ツンとした態度でスタスタと早足で歩き出す。
どうせ、すぐ追いつかれるのは分かってる。
でも、今のをずっと見られてたと思うと、恥ずかしすぎるでしょ!!
脇目も振らずにただ早足で進む。
及「恥しがっちゃって、カ~ワイイ~!」
『うるさいって言ってんでしょ!ほっといてよ、もう!』
及川のからかい混じりの声に、振り返りもせず答える。
もし、こんなタイミングで私の気持ちがあの人にバレたら・・・この先、生きていく自信がない・・・
何度目かの大きなため息を吐くと、近くでわぁっと歓声があがる。
その声に引き寄せられて、足を止め視線を動かすと・・・
ー おめでとう!! ー
ー お幸せにね~!! ー
凄い・・・キレイ・・・
ライスシャワーを浴びながら、花びらの絨毯を歩くふたり。