第15章 スポーツの秋?それとも恋の秋?!( 黄金川貫至 )
・・・んなワケねぇだろ!!
そ、そそそんくらいで諦める事が出来んなら!
ほ・・・惚れたりしねぇ。
入試の時に初めて見かけて、合格発表でも見かけて、入学式で見かけて・・・高校合格より、心臓が跳ねた。
んで、クラス発表見て・・・思わずガッツポーズ!
席も近いし、いろいろ話しかけ・・・れなくてガッカリ。
だけどバレー部入ったら二口さんがカワイイ子見つけたって、城戸をマネとして勧誘して来て、そっから少しずつ話すようになって・・・
ゴールデンウィークにはって思って・・・出来なくて、夏が来て。
夏休みにって思ってたけど、その前に烏野に負けて、それどころじゃなくて告白なんか出来なくて。
いま・・・季節は早くも秋。
このままの関係が崩れるかもなら、いっそ・・・言わずに・・・いても・・・
『黄金川君、大丈夫?なんか難しい顔してるけど・・・鼻痛い?』
「いや、平気ッス・・・」
どっちかってーと、痛えのは・・・心だ。
体育館の隅に、ふたり並んで座る。
さっきまで繋がれていた手も、今は離れた。
なんの理由もなく、すぐ隣にある手に触れる事すら・・・
クソッ・・・情けねぇ。
二「休憩~!つーちゃん、タオルとドリンクちょ~だい!」
『あ、は~い!・・・黄金川君はこのまま休んでてね?』
隣にあった温もりが一瞬で消えた。
いま、その温もりは二口さんの隣に・・・
滑「よいしょっと・・・はい、コガネのドリンクね?」
「・・・アザッス」
ドリンクを受け取り、タオルをズラして口に含む。
滑「あのさ?コガネって、つーちゃんの事・・・好きでしょ?」
「ゴブォハッ!!・・・ゲホッゲヘッゴハッ!・・・なななんスカ急に?!」
滑「あははっ、ゴメンゴメン!・・・でもさ?見ててバレバレなんだよ、コガネは」
バレバレ・・・って。
滑「アホの男子共は、あんまり気付いてないみたいだけどね?どうするの、この先」
「別に・・・どうも・・・」
滑「そ?じゃ、いいの?そのうちサラっと二口に持ってかれちゃうよ?」
「城戸が・・・二口さんを選ぶなら、仕方ないッス・・・」
滑「らしくないなぁ、コガネ。バレーやってる時みたいにさ、こう・・・ドカーンってぶつかってみなよ?当たって砕けろ!みたいなさ?」
そんなの、分かってるッスよ。