第6章 王様ゲーム (2017.8.19 特別番外編)
キ、キキキキ?!
月「ゴメ~ン!メガネ外してたから、距離感が分かんなかった~」
『ウソだ!!今の絶対わざとでしょ!!!』
クスクスと笑いながら言う月島君に、私も大きな声で叫んだ。
月「だから、距離感分かんなかったって言ってるデショ?あ、それから・・・とっても甘いもの、ゴチソウサマデシタ」
ご、ゴチソウサマって!!
甘いものって!!
さっきの感触が甦り、口元を押さえる。
西「いいよなぁ、月島。オレなんか同じ事しようとしたら・・・コレだぜ?」
西谷先輩が私に顔を向けると、その頬には見事な手のひらの後がくっきりと付いていた。
西「あ、そうだ紡!月島としたならオレも!」
両手を広げて抱き寄せようとする西谷先輩を押し返し、軽く睨む。
『西谷先輩、反対側にも・・・モミジ、つけたいですか?』
田「そうだぞ、ノヤっさん!オレの王様はもう終わり!クッソー!月島いい思いしやがって!!じゃあ次のターン始まるぞ!!」
回収した棒クジを突き出し、私にも引けと田中先輩が言った。
『私もうイヤです!続けて罰ゲームみたいのやったし!どうしてもやらなきゃいけないなら、最後の1本にします!』
そう宣言してみんなが引くのをジッと見る。
田「はいよ、お嬢。最後の1本だ」
西「よーっし!せーの!王様、だ~れだ!」
西谷先輩の掛け声に、一斉にクジを見る。
・・・え?
うそ・・・!!
『ふっ・・・ふふふふふふふっ・・・来た来た来たぁ!!』
私は自分の棒クジを高々と上げてみんなに見せる。
武「おや、今度は城戸さんが王様ですね?あ、女の子だから、女王様・・・ですか」
縁「・・・先生、その呼び方もちょっと」
女王様・・・いや、この際・・・呼び方なんてどうでもいい・・・
私の中の・・・黒い部分が表に顔を出す。
菅「紡ちゃん?!お、落ち着いて!なんか顔が怖いよっ?!」
誰が何を言おうと、もはや何ともない。
『では、皆さん?覚悟はいいですか?』
私の言葉に、全員が息を飲む・・・
『ふふふっ・・・さぁ・・・楽しいゲームの始まりですよ~・・・』
自分でも黒い笑顔になっているのがわかる。
私はどんな罰ゲームを命じようかと、胸を踊らせた。
んふふっ・・・これからが王様ゲームの醍醐味ってやつですよ?
・・・覚悟、してね?