第6章 王様ゲーム (2017.8.19 特別番外編)
田「よぅ~し、準備は出来た!じゃ、やろうぜ、王様ゲ~~~ム!!」
「「お~っ!!」」
西「オレはぜってぇ王様になって、潔子さんと!潔子さんとぅぅぅ!!!」
・・・・・・。
この盛り上がりは、凄すぎる。
今日は体育館が使えないから、代わりにミーティングを開いてこれからの大会に備えて対策を・・・って、大地さんが発案して。
部室じゃ全員入るには狭いからって、武田先生がカラオケボックスならどれだけ騒いでも大丈夫でしょうからって、借りてくれて。
もちろん、料金は全員で割り勘して集めてるけど。
ミーティング自体は終わって、残りの数時間は自由時間にしようって・・・言ってたけど。
よりにもよって、王様ゲーム?!
発案者は、まぁ、そういう楽しい事が大好きな2年生のお2人。
普段なら騒ぐな!うるさい!とカミナリを落とす大地さんがそんなゲームを許したのも、場所が場所だけに・・・なんだろう。
田「お嬢!レディーファーストだ。潔子さんとお嬢には先に引かせてやろうではないか!」
『えっ?!私もやるんですか?!』
どう考えても女子は私と清水先輩だけだから、不利・・・な条件が多すぎる気がして、自動的に不参加でいいと気を抜いていたのに!
西「あっりまえだろ?!全員参加なんだから武ちゃんも引くんだぜ?」
武「えっ?!ぼ、僕もですか?!」
思わず武田先生と顔を合わせて苦笑する。
菅「諦めて潔く、棒を引いて下さい・・・先生。言い出したら止まらない2人だから・・・」
いや、スガさん!
そこはなんか口添えしてくださいよ!
武「・・・仕方ありませんね。城戸さん、ここは潔く諦めましょう・・・」
先生まで・・・
見れば清水先輩は既にヒョイっと棒を引いて、下に書かれた文字の部分をしっかりと隠している。
清水先輩、潔くてカッコ良すぎです・・・
私は小さくため息を吐きながら、田中先輩の手に握りしめられた棒を、ゆっくりと引き抜いた。
私達が棒を引いた後は3年生から順に棒を引かされ、そう時間をかけることなく全員が棒を手に持っていた。
月島君、あからさまに嫌そうな顔してる。
・・・影山も。
田「うっし!全員に行き渡ったな?それでは・・・ここからがお楽しみのォォォ!」
西「王~様!!だぁ~れだ!!」
掛け声に合わせて、全員がその手の中の棒を覗き見た。