第8章 #5~Beware of white crane!
「青江さーん、下ネタですかぁ?」
地味に酔っているらしく、鯰尾くんが顔を赤くしてケラケラ笑っていた。
「…兄弟、今日は酔うのが早いな」
「そーかなー?主が来たから楽しいんだよー」
「君も酔うのかい?」
「わたしですか?んー、そうですね…あんまり強いのは飲めませんけど…」
「そうかい、じゃあ今度は強いお酒を用意しよう」
この人は話を聞いていたのか。酔わせて何かしらやらかそうってパターンには乗らんぞ!
楽しい時間はあっという間で、料理が無くなり始めてきた頃に自主解散、という形でお開きになった。
短刀達はお風呂に、飲んべえ達はひとつのテーブルでまだ酒盛り中、所々潰れて寝ている者もいた。
「薬研くん、隣座るね」
「…おう、大将」
歓迎会が始まって色んな刀達の所を回っていたので半ば放ったらかし状態にしてしまっていた。拗ねているのかその証拠に短刀達とお風呂に行っていない。
「…ちょっと寂しかった?」
「んなっ、俺っちは別にそんな…っ」
なんだろう、意地悪したくなった。
彼のちょっと拗ねたような顔が可愛くて。
「からかうのは止してくれよ…」
「ごめんごめん、可愛くてつい」
ほら、わたしのイチゴあげるから、とデザートのフルーツ盛りからイチゴをひとつ摘んで食べさせる。
「こんなんで機嫌が直る俺っちじゃないからな」
「やっぱり拗ねてたんだね?」
「…!大将!」
ほっぺたが真っ赤でそれはそれはこの世のものとは思えない可愛さだった。
「覚えてろよ大将、倍にして返してやるから」
「まあ怖い」
お互いに顔を見合わせて笑う。
わたし、ここで頑張れそうだ。
薬研くんが、みんながいてくれるから大丈夫。
「じゃ、俺っちは兄弟達の風呂の面倒見てくるから、行くな?」
「うん、分かった、また明日ね」
「…おやすみ、大将」
「!」
後からギュッとされる。
ちょっと、心臓に悪いんですけど!!!?
なんでこんなイケメンなの、彼は。
短刀だよね?太刀とかじゃないよね?
そんなわたわたする自分を見て意地悪そうに笑った薬研くんは手を振って広間から出ていった。
「………」
燭台切さんと歌仙さんの洗い物のお手伝いを終えたあと、執務室に戻ってきた。わたしもそろそろお風呂に行きたい。
「主様、大浴場がありますよ?良いのですか?」
