第4章 窓からの景色
ある晩、また母の帰りが遅くなりあの人が私の部屋にやってきた。
「今日はどんなのがいいかなー?」
私の服を楽しそうに脱がせながら、あの人がブツブツと言っている。
「あれ? ここ、薄くなってきてるねー? やっぱり若いと治りも早いのかなぁー?」
腰の辺りを抑えたかと思うと、鈍い痛みが走る。
「んっ……」
皮膚に歯が喰い込む感覚と鈍い痛み……新たな傷がまた増やされた。
窓に反射して写る自分の姿を見れば、自分が傷だらけなのは一目瞭然。
見える傷だけでは無いけれど……。
「……?」
ふと、向かいの窓に掛かるカーテンが揺れた気がした。
暗くてよく見えないが、誰かが見ている。
孝支に、見られた──────。