第4章 窓からの景色
それからも、母が居ない時を見計らってあの人は私の身体で欲を満たしていた。
最初は酔ったせいかとも思ったけど、お酒を呑んでいない時でも私を求めた。
「紗奈ちゃんは、本当に綺麗だねー」
「そんな事、無いです……」
あの人には変な癖があるようで、噛んだり引っ掻いたり叩いたり、痛みを与えるのが好きらしい。
「この間の傷、まだ治らないんだねー、でも噛まれると気持ちいでしょ? ふふ♪」
母には頼めないからと、自分の性癖をぶつけているらしい。
最初は胸元を強めに齧られた位だった。
それがだんだんとエスカレートして行き腕や足など人目に付くところにまで及んだ。
「僕のマークだよ♪ 僕、独占欲も強いのかなぁ?」
あの人は楽しそうに、私をカッターで切りつけながらそう言った。