第23章 【高身長彼氏】×【悩み。】
「あー…寒い。」
「まあ、冬だし。」
さむさむ、とを手を擦る。
すごく暖まると言う訳では無いけど、こうしていると少し暖かい。
「どこ行くの?」
「んー、どこかな。」
蒼依は歩いて行く。
その隣を、私は何も知らずに進んで行った。
少し進むと、会いたくなかった人に遭遇してしまった。
「蒼依くん?
また会えるなんて思ってなかったから、嬉しいな…。 」
どうせまた兄妹みたいだとか言われるんだろう。
なんだか2人の顔を見たくなくて、目線が下を向いてしまう。
「…あ、えっと、一緒だったんだ…。」
最初は、蒼依に夢中で私に気付かなかったみたいで。
私を見つけた途端に、少しテンションが下がっていく様な感じがした。
帰りたいと思いながらも、私は軽く頭を下げた。
「…そうだ!良かったら、今から2人で家に来ない?」
「え?」
突然の提案に、思わず変な声が出る。
断りたい。けどなんだか言い出せず、余計に目線を上げられない。
どうするのかなと思っていると、蒼依の方から声がした。
「…ごめん。今日は、彼女とデートだから。」
「…あ、そ、そうだよね。ごめんね。えっと、それじゃ、私はそろそろ行くね…。」
少しだけ悲しそうな声であの人はそう言って、どこかへ行ってしまった。
その後ろ姿は、やっぱり蒼依みたいに背が高くて_____
あの時も思ったけど、
蒼依は、私と居るよりあの人と居る方が似合ってる。