第23章 【高身長彼氏】×【悩み。】
…眠い。眠過ぎる。
こたつでウトウトする私を見て、一言彼は言った。
「ほら、寝ないの。」
ぐいぐい、こたつから引っ張られ、無理矢理出される。
「今日は出掛けるって行ってたでしょ。行くよ。」
「…あー、そうだったっけ?」
「うん。」
確かに今日は出かける予定だったけど、少し気が向かない。
「この間の事、気にしてるの?」
気が向かない理由をあっさり見抜かれ、余計に行きたくなくなる。
「…そうだよ。」
仕方なく認めるけど、彼は本当にそうだとは思っていなかった様で、
「は、え?」 と少し間抜けな声を上げた。
「この間"兄妹みたいだ"って言われるのくらい、慣れた。って言ってたじゃん、」
「そうだけど…でも!この間のは…」
この間のは、そんな感じじゃ無かった。
「あの人、絶対蒼依の事好きでしょ。」
『ふふ、仲の良い兄妹みたい。』
あの時は笑ってたけど、その後私に向けた顔は少し冷たく感じた。
蒼依に向けた表情だって、蒼依を想っているようなものだった。
「どうせ私は妹だよ。」
子供のように拗ねる。そんな私を見て、蒼依は笑った。
「雨衣は、ちゃんと俺の彼女だって。」
くしゃ、と頭を撫でられ、
機嫌が治りそうになってしまうのだから、私は本当に蒼依に弱い。
「だから…今から、一緒に行こう?」
「………うん。」
それでもまだ少しだけ、もやもやした気持ちを感じながら、服を着替えた。