第64章 【浮気相手】×【最低な恋。】
ドアノブが動いて、ドアが開く。
「……ただいまー、」
「おかえり、ありがとね、」
「あー、お疲れ。ありがと」
バレないようにと普通に接する。
普通に接するのはやっぱり難しくて。
どこかでボロが出ないように必死になっている。
「うん、疲れた〜〜!」
そう言って親友が座った席は、
さっきまで私が座っていた席で。
バレてしまわないかとソワソワしてしまう。
「じゃあ、久しぶりってことで……乾杯だね!」
そう。私たちは、久しぶりの再会……のはずだった。
高校を卒業してから、私は親友とも蒼依とも
連絡は取り合っていたけど会っては居なかった。
でも4ヶ月前、偶然蒼依と
仕事で再会してしまった。
繋がりを持ってしまったのも、
親友と付き合ってることを知ったのもその日だった。
それから私達は、頻繁に会って秘密を重ねた。