第5章 【幼馴染】×【取り合い】
「そうだ。」
「丁度今日このタイミングだ。俺か空。どっちがいいか、決めろ。」
「「えっ、」」
今度は、蒼依の言葉に2人で驚く。
これまた何で今…。
私はどっちが好きとか、決めるつもりは元々無い。この2人が最初に争い始めたのだ。
「ちょっと待ってよ!私はどっちか1人を選ぶつもりなんて…。ね?空なら分かってくれるでしょ?」
「…そうだね。俺も、しばらくは3人で居たい。」
「空ー!」
私達がそんな事を言ってると、蒼依はやれやれとでも言うように、軽く溜息をこぼす。
「お前らなぁ…。…空は、俺が雨衣にこんな事してもそんな言葉が言えるのか?」
見とけ、なんて空に言って、私の顎をくいっと掴んで唇へと強引に口付けをした。
「はぁぁ!?私のファーストキス返せ!」
その間2人は怒りと慌てと悲しみが混ざった私の声を無視して、話していた。
「な?どー思ったんだよ。」
「…蒼依に雨衣は譲れない。」
「やっぱりどっちか選んでよ_雨衣」