第42章 【先生】×【生徒】
それから私は、先生に勉強を教えて貰いに行こうとするのを辞めた。
なるべく近付かないように、話さないようにした。
2度も振られたら流石に私にだって諦めはつく。
どうして私は、先生なんて好きになってしまったんだろう。
後悔している。先生はいつも、私を振る時に悲しそうな顔をするから。
私が告白しなければ、お互い傷付くことなんてなかったはずなのに。
「雨衣さ、最近先生と居ること無くなったよね。」
「…うん。勉強も、分かるようになってきたから。」
友人は、私が先生を好きなことを知らない。
「ほんと、雨衣って勉強熱心だよね〜。」
先生と同じことを言う。確かに、私は勉強熱心なのかも知れない。
最初はただ、分からないところがあったらみんなと差がついてしまうと、それだけだった。
でも最近までは、先生に褒められる為に必死で勉強をしていた気がする。
「…そうかも。」
「それにしても、高校生もあっという間だよね…。」
「えー?そうかな…。まだ2年生だよ?」
「いやいや、あっという間だって!」
友人が言っていた通り、本当に高校生活はすぐ過ぎて行った。
私が先生と必要以上の会話をすることも無く、何も無いまま過ぎた。