第42章 【先生】×【生徒】
そしてあっという間に、卒業の日だ。
「雨衣〜!卒業おめでとう。」
「××も、おめでとう。」
「…ねぇ、雨衣。」
「?」
じっと私を見る。
「会いに行ってきなよ。蒼依先生に。」
「…え、」
「ずっとずっと、好きだったんでしょ。先生のこと。」
どうして、知ってるんだろう。
「なんで…?」
「それくらい、見てれば分かるよ。」
「…ずっと言ってなくて、ごめん。」
「良いんだって!ほら、急がないと。先生どこにいるか分からないよ?」
「うん。ありがとう…!」
お礼を言って、私は先生を探しに向かった。
「……居ない…」
どこを探しても、先生が見つからない。
あの日以来、先生を探すこともなかったから心当たりもない。
「どうしよ……あ、」
1つ、忘れていた。
先生と勉強した、空き教室。