第36章 【片想い】×【秘密の関係】
「また振られたら慰めてあげる。」
…いっそ、私の事を好きになればいいのに。
「…応援するのかしないのか、どっちなの。」
と言いながら少し困ったように笑う。こちらも笑って見せた。
「じゃあね。そろそろ帰らなくちゃ。」
彼女の事を考えたらなんだか急に居心地悪くなってしまって、帰ろうと立ち上がる。
「…また今度。」
また、はもう無いかも知れないけど。
この関係は、いつ終わるか分からないから。
寧ろ今も続いているのが、不思議なくらいだ。
「…はぁ。」
何度かの眠りを終えて、ようやく本当に目を覚ます。頭が痛い。
休みの日だからと、寝過ぎてしまった。
まだ寝足りない。眠い。でもまた寝たら、余計に痛くなるだけだろう。
ゆっくり起き上がろうとした時、電話が鳴った。
誰からか確認もせず、電話に出る。
「…はい。もしもし。」
「雨衣?」
それは、昨日話したばかりの相手だった。
今日は、デートじゃなかったっけ。嫌な予感が頭を過る。
「…れた。」
その予感は的中した。聞き間違いであってくれという思いも込めて聞き返す。
「…え?」
「だから…別れちゃった、って。」
聞き間違いじゃなかった。