Luce e Concerto di neve【復活】
第10章 Anello
生憎時間が無いの、御免ね。と困った様に微笑む。
『ギャング達はアタシ達が一掃しておく…って言うかもう終わってる?』
「ベルとルッスーリアが残党処理してる」
『流石。二人共仕事が早い』
「あのっ!」
『ん?』
「まだ何かあんのかクソガキぃ」
ジロリと銀髪の男に睨まれる。
「あ…有難う!」
『どういたしまして』
「それと」
『「?」』
「俺はクソガキでも坊やでもねぇ!!れっきとした17歳だ!」
そう主張してみると二人は顔を見合わせ小さく笑うと一瞬でこの場から姿を消した。あ………名前くらい聞いとけば良かった。あの白衣の女はきっと有名な病院に勤めてる医者に違いない。銀髪の男は医者って感じじゃなかったな…と考えてるところでふと思考を止める。未だに床に転がってるギャングの死体。
殺したのが銀髪の男と想定して…医者が人を殺す様な人と一緒に居るだろうか。そう考えるとあの白衣の女は医者であって医者では無いのかも知れない。
※※※
『御免ね皆、アタシの我儘に付き合ってもらって』
「良いのよォ他ならぬ舞姫ちゃんの我儘ですもの」
「そうそう。それにいい運動になったし」
寛大な言葉をくれる皆に感謝しながら既に安全になった街を歩く。街の人達も安全になったのを察したのかチラホラと外に出て来る。
「何故あのクソガキを気にかけた」
アタシにしか聞こえない様な小さな声でスクが問い掛けてきた。
『アタシに…似てたから』
「…似てた?」
『守りたいモノ、命の掛け方…よく似てる』
「…そうか」
深くは追求しない。何だかんだ言って面倒見良いし優しいのよね、スクは。スクだけじゃなくて皆そうなんだけど。
「あ、そうそう!昼食はどうする?パスタなんてどうかしら?」
「カルボナーラ」
「ペスカトーレ」
『…ジュノヴェーゼ』
「あらあら、まあまあ!じゃあ私はペペロンチーノにしようかしらっ」
※※※
『すっごく気になってたんだけどザンザスさんって何の買い物したの?お酒?』
買い物と昼食を終えた帰りのリムジン内。皆でポーカーをしてると、ずっと気になってたのか舞姫がボスにぶっ込む。
「………」
『お酒?』
「………日本の酒だ」
『日本酒!?』