第9章 あなたの帰りを待っています
顕如討伐のため、信長達も安土を出立して10日ほど、先に野営地を作り、準備に当たっていた政宗達と合流する。
「歌恋着いたぞ。ここでしばらくは過ごすことになるからな。」
秀吉が馬を止め、降ろしてくれた。
乗馬の練習も少しはしていたため、1人で乗ることも出来たが、万が一顕如の兵達が襲ってきた場合も考え、秀吉の馬に乗せてもらうことにした。
『秀吉の馬に乗るなど気に食わん!』
とか言って信長は自分の馬に乗せるつもりだったが、先陣切って戦う信長の足枷になりたくないと自分で秀吉の馬に乗せてもらうことにした。
「ここでしばらく過ごすのか・・・」
降りて、野営地の中に入ると今までとは違う、ピンとした空気に包まれていて、痛いくらい空気が張り詰めている用に感じた。
「大丈夫ですよ。歌恋様、ここには秀吉様、私もいます。それに家康様や、光秀様、政宗様、安土の武将達が居るのですから。」
歌恋を安心させるように三成が声を掛けてくれた。
「歌恋、お前は俺と同じ部屋だ。覚悟しとけ!」
信長が肩にぽんと手を置いてニヤリと笑い、安心させるようしてくれた。
「はい。私ここで出来ることはお手伝いするので!」
歌恋は炊き出しと家康と一緒に怪我した兵の手当をすることになった。
「やぁ、歌恋さん。」
そこへ、久しぶりに会う佐助と春日山の謙信、信玄、幸村がやってきた。