第6章 あなたの手を離さない~信長√
その頃、安土城では――――
「全くなんで、俺たちが信長様と歌恋のお膳立てしなきゃならないんですか?」
「まぁそういうな。表向きはあいつの歌恋の快気祝いなんだから。」
不機嫌ながらも食材を台所に運ぶ家康とそれを宥める秀吉。
「おぃ。文句言ってサボる暇があったら手伝ってくれ。」
快気祝いの機会を設けようと言い出したのは秀吉。それに賛同した政宗が、手料理を奮うことにした。
「政宗様。こちらの食材はどちらに置けばよろしいですか?」
よろけながらも野菜などが入った籠を持って入ってきた三成。
「あぁ、とりあえず流しの所に野菜は置いてくれ。後は籠のまま下に置いてもらって構わない。」
「分かりました…っわぁ!?」
籠を一旦台に置こうとした時に石につまづき三成が後ろによろけそうになる。
「おい!三成…!」
秀吉、家康、政宗が三成を止めようと動くも間に合わない…
「あれ?どうしたのでしょうか?」
三成の大勢が少し傾いた状態で止まった。
「何だ面白そうな事をしてるな…くくっ」
政宗に頼まれたものを持って来るために光秀も安土城に戻ってきていた。
「光秀!」
「光秀さん!」
家康と秀吉の声が揃た。
「おぅ!来たか!」
政宗が待ってました!とばかりに光秀のことをむかえた。