第25章 いつもの日常と不気味な影~愛する人は側に~
ハロウィンが終わった後、政宗は一旦奥州へ戻る事になり、家康も度々自分の城へと戻り、安土城には秀吉、三成、光秀が残っていた。
信長は表舞台をいつかは秀吉に譲り、子どもたちと過ごす時間を作ろうと考えていた。
ある日、信長が安土の村の視察で、城を留守にしていると秀吉の家臣から「歌恋が倒れた、すぐに戻ってきて欲しい」と伝言があり、急いで向かっていた。
「何?歌恋が・・・?!すぐに戻る。光秀、あとは任せた。」
「御意」
残っている仕事を光秀に任せ、慌てて早馬で城へと戻った。
城へ戻るや否や、足音を大きくたて、急いで天主へと向かう信長。
(歌恋・・・、何があったのだ?!)
流行る気持ちを抑えて天主の前に着くと・・・
舞桜「お父様!!」
「舞桜か・・・。歌恋は?大丈夫なのか?」
舞桜「今家康が来て診てもらってるわ。」
不安そうな娘をギュッと抱きしめ、母の様子を見てくると一言だけ伝え中に入った。
「入るぞ」
部屋の奥では少し早い今年のクリスマスにと、南蛮から買い付けた大きなベッドに歌恋が横になっていた。
「家康。歌恋はどうなんだ?!大丈夫なのか?」
「自分で聞いたらどうですか・・・?全く・・・こっちに戻ってくるなり秀吉さんが血相変えてくるから・・・」
ブツブツ言う家康を見て信長は深刻ではなさそうだと判断するも、歌恋から聞くまで心穏やかではなかった。