第24章 トリックオアトリート〜魔王が本物の魔王になった?!
(ふん、やはり佐助の言った通りだな。後で宴の時にでも着せるとするか…。)
密かに用意した何かを思い浮かべ、歌恋が部屋を出た後で信長は、一人何か呟きマントを翻し部屋の奥で座って待っていた。
【子ども達】
歌恋「よし、みんな支度できたね!」
天音は、白を基調とし、背中には大きな羽を付け、レースがあしらったワンピースで所謂『天使』をモチーフにしたもの。頭には白い花で冠を造り載せ、普段女の子らしい感じが見えづらい天音は見違えるようだった。
葉月「やっぱり天音ちゃんをこっちにして正解でしたね!凄く可愛いよ天音ちゃん!」
歌恋「結人は・・・、うん!大丈夫だね!信長様そっくり!」
結人は悪魔をイメージし、父と似たような仮装に。暗めの赤いベストに黒のズボン、二つのとがった羽、赤い小さな二本の角と、ギザギザの尻尾、信長の仮装した姿を見ている歌恋には小さな信長がいるように思えるほどだった。
秀吉の息子信秀は・・・
葉月「うん、信秀もお父様とそっくりだね!かっこいいよ。」
信秀「本当に?母上?でも何か恥ずかしいというか・・・。」
信秀は海賊の仮装に。本当は秀吉と同じものにしようと葉月に提案するも、何枚か描いたデザイン画の中の一枚の海賊を選んだ。
普段あまり自分を前に出さず、言われた事は卒なくこなし、わがままをあまり言わない息子の新しい一面を引き出したいと言い、この仮装になった。
黒の扇形の帽子に、黒地に黄色の縁取りされた上着、赤いズボンに足袋を変えて作ったブーツ、眼帯もつけ、普段の様子とは全然違う感じになった。
「でも、秀吉さんが息子のこの姿見たらどうなるかなー。ふふ、なんか必死にそっちの道に行かないように説得しそうだけどね。」
葉月と歌恋は二人で見合い、この部屋に居ないその人物のことを思い浮かべ笑が零れた。