第22章 歴史は繋がれていく~新しい生命と日常~
それからしばらくして、ようやく舞桜や武将達も歌恋と産まれてきた赤子に会うことが出来た。
先に生まれてきたのは女の子。
名前は【天音(あまね)】
天下布武を取る信長の娘。
そして意識が無くなりそうなほど大変だった時に産まれ、声を聞かせてくれた。
そこから決めた名前。
後に産まれてきたのは男の子。
名前は【結人】
人を結びつけるような人になって欲しい。
信長の名前から一字とるつもりだったが、新しい歴史を作っていくであろう息子に新しい風を起こして欲しいと願い信長が決めた。
「かぁしゃま。おめっと!」
「舞桜・・・ごめんね・・・、側にいられなくて。」
久しぶりにあった娘は少しお姉さんになったような感じがした。
「母様がいなくてもちゃんと父と夜寝ていたものな。なぁ舞桜。」
離れ離れに寝るなんてあんまり無かった舞桜。
最初は信長がおどおどするくらい泣いて寝れなかった・・・
何とか昼間もそばにいて遊ぶとよく寝てくれたことに気がついた信長は、広間で鬼ごっこをしたり、買い物に行ったりと娘と濃ゆい時間を過ごした。
「信長様が、娘を連れてあるいている!」
「第六天魔王というよりタダのヒトだな・・・」
「あの信長様の娘とは信じられない程可愛らしい姫君だ・・・」
「第六天魔王も形無しね・・・。」
色々と言われたが、娘と一緒にいられる時は居ようと決めた。
忙しくてあまり一緒に過ごすことなど少なかった。
それでも歌恋が出来るだけ関わりを持つように、とくばってくれたおかげで父嫌いにならずに育ってくれている。
「舞桜~また父と出かけような!なんでも好きなもの買ってやるからな!」
さすがの信長も娘に甘く、また1人娘が出来た今、どこまで甘やかすかちょっと心配な歌恋だった。