第18章 新たな生命の誕生~幸せな日常~
歌恋が床上げをし、広間で食事を取れるようになったある日、歌恋の出産祝いと信長の遅ればせながらの誕生日を祝う宴が開かれた。
「すごーい?
これ、政宗が作ったの?」
お膳には歌恋の好物の煮物や、魚などの料理が並べられていた。
「あぁ、勿論だ。お前の出産祝いの場でもあるんだからな。うまいもん食って、たくさんお乳が出るようにしないとな!」
「ありがとう!」
政宗(美味しそうに食べる歌恋 を見て、「母親になってもこういう所は変わらないな…まっ、それがあいつのいい所か。」と
心の中で呟いた。)
「歌恋ちょっといいか…」
秀吉が懐から何かを取り出した。
「これ、まぁ、いわゆるあれだ・・・、出産祝いってやつか?」
懐から出てきた包を開くと綺麗な手鏡が出てきた。
「可愛い!いいの?秀吉さん!」
その鏡は朱い縮緬の生地に桜が咲き、花筏を描かれていた。
持ち手には【舞桜 誕生祝 】豊臣秀吉と書かれていた。
「すごい!これ、舞桜の名前と秀吉さんの名前入ってるよ?!」
「 あぁ、ちょっと最近贔屓にしてる店で頼んで作ってもらったんだ。」
「そうなんだ!ありがとう!大切に使うね!」
嬉しそうな顔で大事に抱えていた。