第17章 いつまでも愛しています~永遠に続く愛~
久しぶりの信長様に愛されて、幸せと、今までの不安や寂しさを打ち消すような様々な感情が入り乱れて、夜は明けていった。
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それから慌ただしい日々が始まった。
祝言を挙げる日は私の誕生日にしてくれ、あと10日程しかなかった。
着物は信長様にお願いして、京都の家から持ってきた晴れ着を着せてもらう事にした。
後から秀吉さんに聞いた話、
“祝言を挙げるなら京都の桜を見せてやりたい。
私の誕生日ならちょうどいい頃だろうと言って私の誕生日にしてくれた。
着物は私が戻ってきたら選ばせるようにと気を回してくれていたと・・・”
そして、祝言の日。
今年は雪が多くて桜はまだ蕾だった。
「桜・・・咲いてませんね…」
「そうだな…また連れてきてやる。」
「はい!」
晴れ着を着た二人を赤い番傘が隠すように映える。
「あっ」
「どうした?」
「今、お腹の子が、信長様が『また連れてきてやる』って言った時に一緒に返事をしたようにお腹を蹴ったんです…。」
「そうか・・・」
「今度は3人で来ましょうね!」
「そうだな…」
卯月、京都で織田信長は500年後の未来から来た歌恋を生涯の妻として迎えた。
桜の蕾がまだ堅い春。
伝説の着物を着た歌恋と、黒の晴れ着を着た信長。
愛し合い寄り添う二人の祝言は滞りなく終わった。
「よかったな・・・歌恋。」
二人を見守る秀吉の目には涙が光っていた。