第15章 叶わぬ思い~離れていてもあなたを愛しています~京都編②
図書館で読み漁った本のうちの数冊を持ち帰り、部屋で続きを読む。
ラブレターの話を読みながら思わず笑がこぼれる。
「ふふふ、信長様は自分であまり手紙書かないと言ってたのに…」
「きっと佐助くんや秀吉さんに言われたのかな…。」
「なんて書いてあるのか見てみたいな・・・。」
お腹に手を当てつぶやく。
2月になろうとする頃。京都へ戻されもうすぐ2ヵ月。
後一ヶ月後にもしかしたら戻れるチャンスがあるかもしれない。
でもその場所はどこかはわからない。
佐助に最後に聞いた時は2人のゆかりの地が有力じゃないかと言われたが、沢山あり過ぎて・・・。
でも一番は安土城とは思う。
初めて愛された日。
愛を伝えあった日。
子どもが出来た事を伝えた日。
祝言の挙げようと言ってくださった日。
・・・どれをとっても安土城でのあの天守閣での光景が蘇る。
でも、そこ以外ならあそこしかない。
初めて信長様と出会った場所。
『本能寺』
あそこにいけば何か掴めるかもしれない。
歴史が変わった事を知ったのも本能寺なら、何か知ることが出来るのもそこしかないと。
本を読み終えて立ち上がろうとした時だった。
「うっ・・・」
お腹に激痛が走った。声を上げる事も出来ないほどの痛みにお腹を抑えてしゃがみ込む。
(いた・・・いっ、た、すけ・・・て。)
そのまま床に倒れ込んだ。