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王女様に祝福を【FFIX】

第4章 霧の上へ〜氷の洞窟〜



『うん、いいんじゃないかな』
 
 
お姫さまであるガーネットが武器の名前を付けるとは思わなかったけど、それでもガーネットが考えてくれた名前だ。
 
私が反対なんてするはずがない。
 

「本当にそれでいいのかい?」
 
 
ジタンの青い瞳がこちらを見つめてきた。
 
見つめられた、と思ったのは私だけかもしれない。
 
放たれた確認の言葉に性懲りもなく少し動揺してしまったから、その青い瞳に私の心まで見透かされているように錯覚してしまう。
 
それでも、もう決めたから。
 
私が決心を固めるために短く息をはいたタイミングで、ジタンは笑顔を浮かべた。
 

「よし、上等だぜダガー!」
 
 
彼がよく見せるにっとした笑み。
 
ガーネットにかけた笑顔なのに、自分が褒められたようで嬉しかった。
 

「あとはそのしゃべり方だな……オレみたいにさ、くだけた感じになれば文句なしだ」
 
 
確かにガーネットはお姫さまだからか、口調が少し固いよね。
 
私もガーネットっぽくお上品に話すの苦労したし。
 
ガーネットも口調を変えるのは大変なんじゃないかな?
 
よし、これなら私も役に立てるかも!
 
そう意気込んでいると、ガーネットが緊張気味に口を開いた。

 
「ええ、やってみます」
 
「違う違う……そこは……」
 
 
ジタンは一瞬ビビを見ると、再びこちらに視線を戻して一つ大きく頷く。


「“うん、がんばる”だな」
 
「……う、うん、がんばる!」
 
「その調子だぜ、ダガー!」
 
『私もできるだけ力になれるように頑張るね!』
 
『ありがとうございます、レイナ』
 
 
ガーネットのまだ固い口調にくすりと笑う。
 

「……ってことで、そろそろ行くか!」
 
 
そんなジタンのかけ声に、私達は崖を下りて村へと向かっていった。
 
 



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