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王女様に祝福を【FFIX】

第3章 落ちた劇場艇〜魔の森〜




冷たい土の地面から上半身を起こすと、身体の至る所がずきりと痛んだ。
 

「うっ」
 
 
痛っっ!

頭から足まで、全身ズキズキする。


「だ、大丈夫?」
 
「……なんとか」
 
 
嘘、かなり痛い。

心配そうな金ピカの瞳に見られて、見栄を張ってしまった。

でも実際はものすごく痛いので、ケアルを唱えて自分と少年の身体を魔法の光で包んだ。
 

「あ、ありがとう。お姫さま、白魔法使えるんだね」
 
「ええ、少しだけどね」
 
 
そう言いつつ、私は周りを見渡した。


うっそうとした木々。

それによってか辺りは薄暗い。

見た事のない植物ばかりが生えている。

 
ポチャン。

水の音がした。

木々の向こう側が、かすかに水色に発光している。
 

少し肌寒いな。

腕をさする。

なんだか不気味。

こんな場所に私達二人っきりだなんて。

他に気配もなさそうだし。

でも時折ウォンと反響した残りかすみたいな低音が聞こえる。


『……不気味な場所ですね』
 

そもそも、なんで私達はこんな所にいるんだっけ。

他の皆は?
 

『墜落する直前に劇場艇から放り出されたの、覚えていませんか?』
 

ガーネットが補足するように教えてくれた。

私もだんだんと思い出す。


「おそらく近くに墜落した劇場艇があるはず。まずは皆と合流しましょう」
 

あの状態で機体を持ち直して飛び去ってしまった、なんてことはないだろうし。
 
私が立ち上がると、少年は頷いた。

もう一度周りを見渡してから、薄暗い森へと私達は足を踏み出した。


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