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王女様に祝福を【FFIX】

第11章 ターニング




あ〜、あ〜〜

マイクテスツ、マイクテスツ

音声さん、音の感じ大丈夫ですか〜? 

…………

準備OKということで、ディレクターカウントいきまーす!!

 
ごー! 

よん!

…………

…………

…………


どうもこんばんにちは、レイナです!!

お久しぶりです、皆さん!

私のこと覚えてますか? 

レイナです!!
 

久しぶりすぎてお前のことなんか覚えてないって? 

ふふふ大丈夫、そんな方もいらっしゃると思いましてちゃんと準備してあります。


え~ではさっそく、いきましょう! 

これまでのあらすじ~のコーナー!!


————ひょんなことから別の世界に来ちゃった私、レイナ。

剣が振り回されれば魔法が飛び交うのが日常茶飯事なこの世界。

気づけば王女様の体に入っちゃってるし、当の王女様はなにやら世界のために隣国へ行くなんて言いだすし。

道中出会った愉快な仲間と旅をして、泣いて笑って別れて出会って。

えっ、私を探しにお兄ちゃんまでこの世界に来ちゃったって本当!?

いったいこれからどうなっちゃうの〜!?

次回、レイナ幽体離脱の巻!!

——————

…………」
 
 
目の前の白い空間に視線を向ける。

ツッコミなんてものはこない。

寂しい。
 

「一人ラジオごっこもそろそろ飽きてきたな」


体育座りの態勢だった体をのばしてごろりと仰向けになってみる。

景色は変わらず白だ。

純白の白だ。

一点の曇りもないほどの白だ。


「さみしい」


普段口にすれば少し恥ずかしい言葉をいっても今はむしろ虚しい気持ちになるのだ。

かなしくなるのだ。


「私いつまでここにいるんだろ」


ぐすん。

考えてみれば最初からおかしかった。

池に落ちて気づいたら地球じゃない場所にいるとか、どこのファンタジー小説だ。


一度状況を整理してみよう。

ダガーのお母さん、ブラネ女王を説得するために一度は出たアレクサンドリアに戻ってきた。

そしたらブラネ女王の方から話があるとか言ってきて、気づいたら皆捕まってて。

私は…………


「この白い空間から出られなくなった、と」


何度目になるかわからないため息をこぼした。
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