• テキストサイズ

王女様に祝福を【FFIX】

第9章 眠らない街~トレノ~




「俺はなんにもしてないっスよ。変な言い掛かりはやめてほしいっス」

「ふが~っ、ほんとうに何もしとらんのか~っ!?」

「スタイナーさん落ち着いて……」

「信じられないんスか?」


そんなことを言って、スタイナーが騒いでいる間にも背後に壁が出てきて。

私達は四方を壁に阻まれてしまった。


「ほら、ぐちゃぐちゃ言ってるから逃げそびれてしまったっスよ」

「ふが~~~っ!!」


なんでこんな仕掛けが!?

しばらく使われていなさそうなのに。

誤作動っていうのは考えにくい。


「引っ掛かったでおじゃる」

「いい眺めでごじゃる」


頭上から声が聞こえた。


「ゾーン、ソーン!」


横壁は高さが4メートルくらいなのだけど、その上から愉快そうなピエロ顔が覗いていた。

両サイドそれぞれに赤と青の道化師がいる。

ブラネ女王にあんな感じの二人が仕えていた記憶がある。


「プルート隊隊長のスタイナーだっ。アレクサンドリアに帰ってきたぞ! ただちに、この仕掛けを解除するのだっ!!」

「そういうわけには、いかないでごじゃるな」

「あきらめるでおじゃる」

「ゾーン! ソーン!」


彼らが私達を閉じ込めたってこと?

なんでそんなことを……?

ふいに思い起こされる、ダガーがアレクサンドリアを出た日のこと。

ダガーが乗っているにも関わらず、放たれた大砲。

ざわりと肌がざわめいた。


「わたくしは、お母さまにお話ししたいことがあってアレクサンドリアに戻ってまいりました。いたずらはやめて、お母さまと会わせて下さい」


ダガーが真剣に語りかけるも、二人の道化師達はさも可笑しそうに頭の帽子を揺らした。


「話があってもなくても、ブラネ様には会わせるでおじゃるよ」

「なんたって、ガーネット姫を捕えよ! と命令したのは、ブラネ様でごじゃるからな!」

「なんですって!?」


恐れていたことが現実になろうとしている。

そんな予感がした。


/ 389ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp