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王女様に祝福を【FFIX】

第7章 交差する思い〜リンドブルム〜



ジタンside.



目を覚ますと二人の姿がなくなっていた。


「睡眠系の薬のようじゃな」
 
 
ダガーと、彼女にいつも付き従うようにしてきたスタイナーの姿がなくなっていた。

 
「スリプル草だ……」
 
「やられたブリな」
 
「眠れないって言うから、ダガーにわけてやったんだ」
 
 
城の展望台でのやり取りを思い出す。

今では後悔しか残っていない。
 

「箱入りかと思っていたが、あの娘、意外とやるものじゃ」
 
 
やるせなさに、思わず舌打ちが出た。

 
「くそっ、いったい何考えてんだっ!? まさか先にブルメシアへ向かったのか?」
 
「うむ、だとすれば、まだ間に合うかもしれないブリ」
 
「ビビ、起きろ! すぐにブルメシアへ出発だ!!」
 
「ギザマルークの洞窟へ向かおう。そこを抜ければ、ブルメシアじゃ」
 
 
ダガーが弱いとは思っていない。

でも何が起こるかわからないのが戦場だ。

こんな形で彼女をなくすなんて絶対に許せないことだった。

一刻も早く連れ戻さないと。

それでなくともせめて、自分の手の届く所に、守れる場所にいてくれないと不安で仕方ない。
 
とにかく早く追いかけないと!!


そんな焦りの中で、ぼそぼそとしたシドの声が耳に入ったのはほとんど奇跡に等しい。

 
「しかし、まさか……レイナ殿の影響があるブリか?」
 

「レイナ?」
 
 
口の中で繰り返してみる。

聞きなれない言葉だった。
 

いや、と首を振る。


そんなことより、今はダガーだ!

 
「くそっ……」
 
 
オレは後悔しても仕方ないと思いつつ、それでもここにいない彼女のことを想うと気がはやった。


彼女を追い、ギザマルークへの道を急ぐ。
 
 

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