第7章 打ち合わせ

　ーー『JOKER TRAP』打ち合わせ当日。
「本日はよろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「よろしく、レディ」
「よろしくお願い致します」
「……よろしくお願いします」
　事務所の会議室の1つを借りて、私と『JOKER TRAP』に出演するアイドル4人が集合した。
「それでは、まず始めに自己紹介から……私はST☆RISHの一ノ瀬トキヤです」
「同じく、ST☆RISHの神宮寺レンだよ。よろしくね」
　最初に、最近デビューしたST☆RISHの2人が自己紹介をしてくれた。
「よろしくお願いします」
　私も頭を軽く下げて挨拶をする。
「私は……」
　執事モードのカミュくんが胸の前に手を当てて、にこりと微笑む。
「カミュと申します。本日はよろしくお願い致します」
「……またよろしくね。カミュくん」
　ーー本性がバレているはずの私に対して、わざわざ執事モードで対応しているのはこの前のことがあるからだろうか……。それとも……。
「……せっかく俺が気を遣って執事で対応しているのに、どうして普通に知り合いとして受け答えるのだ」
「……」
（やっぱりそういうことか……）
　ー彼なりに、気を遣ってくれていたのだ。だけど……。