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【うたの☆プリンスさまっ♪】あなたの全てが好きだから

第5章 いつもの日常


「……」
 依頼曲を作りながら、全然関係ないことを考えてしまったと後悔した。これでは、曲作りに集中できない。
「わたしには、もう……関係ないのにな……」
 少し後悔する時もある。
ー俺は、桜さんが頑なに事務所に戻って来たくない理由がわかんねェ。
 この前、蘭丸くんに会った時に言われた言葉。ーーシャイニング事務所に戻りたくない理由。それは、自分の意地でもあった。そう、意地なのだ。自分でも面倒くさいと思うのだが……。QUARTET NIGHTの専属作詞作曲者から抜けたのは、如月愛音以外とユニットを組む寿嶺二を見たくなかったから。ただ、それだけなのだ。でも、それだけは譲れなかった。学生時代にした4人との約束。それだけが、愛音と私達を繋ぐ、唯一の千切れそうで千切れない細い糸のような絆だと思っていたから。だけど……。
「……」
ー桜、僕……この仕事、受けるよ。
「何で……」
 ー彼は愛音との約束を忘れてしまったのだろうか? どうして、受けると言ったのだろうか……。理由がわからなかった。あのことがあってから、嶺二とまともに話していない。それがすれ違いの原因でもあった。
「……私も大概だけどね……」
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