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【うたの☆プリンスさまっ♪】あなたの全てが好きだから

第3章 思いがけないメール


 まだ肌寒い空の下、私はメールに指定された場所に向かって歩いていた。目的地に着くと、そこにはテレビでよく見かける男の人が立っていた。
「……来たか」
「お久し振りです。龍也さん」
 私は彼に軽く会釈した。
「……元気だったか?」
「はい。龍也さんのおかげでお仕事も滞りなくありますし」
「俺は何も……」
 龍也さんは口籠った。
「……」
 ー私は知っている。あんなことがあって、仕事がなくなってしまう可能性があった私の元へ、龍也さんが定期的に仕事がくるように調節してくれているということを。
「ところで、メールを寄越した張本人はどちらに?」
「ああ、中にいる」
 龍也さんは会場への裏口を開けて、中へ案内してくれた。

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