【うたの☆プリンスさまっ♪】あなたの全てが好きだから
第3章 思いがけないメール
そんなことを思い出している間に、時間はどんどん進んでいた。
(あれ? まだ歌うのかな?)
『QUARTET★NIGHT』から始まり、それぞれの個人曲を全て歌い終わった。その他にグループ曲以外で歌うとしたら、新曲のデュエット曲ではないかと思っていたが……。
(このイントロ……まさか……)
「ガールたちー! お待たせ!」
そう思っていた時に、ステージから声が聞こえた。客席からは黄色い歓声が聞こえる。
「イントロでわかるよね? 次の曲は僕の可愛い後輩とのユニット曲だよ〜」
暗いステージがパッと赤、紫、緑のライトで照らされた。スポットライトが照らした先には嶺二が立っている。女の子たちの歓声がさらに大きくなる。
「それじゃあ、行くよ! 『ガムシャラROman☆Tic』!」
その瞬間、客席には驚きの声をあげる子、歓喜の声をあげる子、喜びのあまり泣き出してしまう子がたくさんいた。
「えー!?」
隣の美雪は驚きの声をあげている。無理もない。どうやって歌うのか全く検討がつかず、わたしも驚きを隠せなかった。
「♪〜ギラつくハート 君のせいさヴィーナス〜♪」
嶺二はいつも通り、自分のパートを歌っている。ただ、少し違うところがあった。