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【うたの☆プリンスさまっ♪】あなたの全てが好きだから

第2章 第一印象


 終始ニコニコしている彼は早乙女学園の制服を着ている。どうやら、彼も新入生らしい。

「君、アイドルコース?」

「え……ううん……一応、作曲家コースだけど……」

「そうなんだ! 歌声があまりにも綺麗だから、アイドルコースかなって思ったんだけど違うんだね。ちょっと、残念」

 目の前の男の人は相変わらず、ニコニコと笑っている。

「……」

 ーーどこで見たんだろ……。
 早乙女学園の受験は歌や曲をカセットテープに録音して、それを学校に送ることになっている。そして、そのカセットテープを先生たちが聞いて合否が決まる。そのため、入学するまでどんな人が受験をしたか分からない。誰が受かったのかも、もちろん分からない。

「あ! もう、こんな時間だ! じゃあ、また後でね」

「あ……」

 彼はそれだけ言い残して、学園の方へと走って行ってしまった。

「……」

 彼のことを何も分からないまま、私はその場に立ち尽くした。


(変な人……)


 ーーそれが彼の第一印象だった。

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