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【うたの☆プリンスさまっ♪】あなたの全てが好きだから

第2章 第一印象


 最寄り駅から早乙女学園の最寄り駅まで電車で行き、そこから学園までの道を歩いていた。入学式までにはまだ少し時間がある。

「……綺麗」

 早乙女学園までの道にはとても大きくて綺麗な川が流れていた。その近くには大きな桜の木が1本立っている。

「……」

 私は辺りをキョロキョロ見回した。

(誰もいない……)

 朝早い時間ということもあり、辺りの道には人が1人もいない。それを確認して、その木のそばに小走りで行った。木の下まで行って上を見ると、風に揺られて桜の花びらがひらひらと舞っていた。花を目で追いながら、私はスッと息を吸った。

「♪〜桜吹雪の舞う道で〜♪」

 これは入試の時に自分で作曲してピアノで演奏し、カセットテープに録音して早乙女学園に送った曲だ。ピアノの音だけだった曲に歌詞も付けて、勝手に1つの曲にした。

「♪〜あなたと初めて出会えたことを……」

「ねえ、そこの君!」

 突然、後ろから声をかけられて私はびっくりして歌うのをやめた。声がした方を振り向くと、茶髪のどこかで見たことがある顔の男の人が立っていた。

「今の曲、君が作ったの?」

「え、ええ……」

「へー! スゴいね!」
 
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