第3章 3.好き嫌い
なんか、智くんの足が速いです。
いつもは私に合わせてくれるのに、
どうしたんだろう。
『智くん、どうしたの?』
智「んあ?あ、え?なに?」
『こっちの台詞だよ。どうしたの?』
智「ん、速かったか……ごめん」
いやいや、別にいんだけどさ?
なんで速くなっちゃったのかなんだよね
智「キャンディ…買ってこ!」
『あ、そ、それ?なんだぁ…いいよ』
やっぱり智くんはキャンディが大好物
ただの糖分不足だったのですね。(笑)
近くのコンビニに入って、
キャンディの置いてある棚に向かった。
『ん、これだね』
智「ん、貸しな?」
『え?なに?』
智「なにって買ったげるの」
いつもは"が買ってね"って
自分が舐めるくせにそう言うのに…
今日は自主的にレジに向かった。
『さ、智くん。ど、どったの?』
智「ん~?気分なの」
『き、気分……?』
智「っつーかこれ、俺とのね」
『へ?どういう意味?』
智くんはふにゃっと笑って、
智「オイラとしか、
舐めちゃだめなキャンディだから」
よく意味が分からないけど……
守ろうと思います。一応、ね?