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≪刀剣乱舞≫ 春日狂想

第2章 静かの海で


「で、とわはこんな時間に一人で何やってんだ?しかもそんな薄着で」

そう当初の疑問を投げかければ、薄衣でひざ丈のキャミソールというやつに身を包んだ彼女から実に単純な答えが返ってきた。

「ちょっと嫌な夢見て起きちゃったの。だから一人で部屋に篭ってるより、皆の雰囲気の残ったここなら落ち着くかなと思って…」
「なんだ、怖い夢見ただけか。乱じゃあるまいし、それくらいで眠れなくなるなよ。そんな格好でいつまでもこんな所に居たら風邪ひくぞ」
「乱ちゃんとは乙女仲間だから一緒でもいいですー!でもまた嫌な夢見たらと思うと怖くて…、ね」

いつもより幾分沈んだ、不安を滲ませる細い声。
それが俺のとわへの庇護欲を掻き立てる。

「何だったら寝付くまで一緒にいてやろうか?」
「ホントに!?でもそれなら一緒に寝て欲しい!」
「流石に朝、とわの部屋に居たらヤバイだろ」
「なら、皆が起きる前に薬研は寝室に戻れば?」
「うーん、それは……」
「ダメ…?」

下から上目遣いに、そんな心許なさそうな瞳をされると、惚れた弱みか断れない。

「あー、わかった。その代わりとわが寝付いたら俺は戻るからな」
「うん!でもしばらくは見守っててね?」
「はぁ…、わかったよ」

この間、お互いの想いを確かめ合ったとはいえ。
またもや彼女の一足飛びの"一緒に寝る"なんて行為に踏み切るとは。
とわに警戒心はないのか?
こっちは自分から寝付くまで傍に居ると提案したものの、一緒に寝るなんて心臓も自制心も壊れそうなのに。
俺の事をそんなに安全な男だとでも思っているんだろうか。
だけど。

「良かった!やっぱり私、薬研大好き」

なんて心底嬉しそうな笑みを向けられれば、どうしたって彼女に敵う気はしないのだ。


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