第3章 雪解け

ある日気付く。
・・・もしかしたら。
ストーカーに引きずられた時も、あたしは自分から歩いていた？
あの人を強く拒否しなかったのは、愛してもらえて嬉しかったから？
はっきり断らなかったあたしが、先輩をストーカーに変えてしまった？


もう何もかも信じられなくなった。
何が原因で何が結果で、自分が悪いのか相手が悪いのか分からなくなった。
ただ分かったのは、寂しさを埋める相手を求めていたのは、男もだけどあたしもだという事だけ。



そうこうしてるうちに原田とも関係を持ってしまった。



面と向かって責めるなんて出来なかった。
「お前が手を出して来たから！」なんて文句を言ったら、「誘って来たのはお前だ！」って汚いあたしを突きつけられる。
だから黙った。
黙る事で、あたしは被害者になる事も、汚い自分を隠す事も出来た。


心の中で自分を責め続ける事で、あたしは人に責められる事から逃げ続けて来たんだ。