• テキストサイズ

怠惰症候群

第3章 雪解け


手で顔を隠す香苗。
さすがにもう、止めるような真似は出来なかった。
「あいつ・・・フッたくせに、あたしがいいって言うの。」
香苗は手で涙を拭う。
目元の薄い皮膚がこすれて赤くなった。
「体の相性だけはいいって・・・。」
啓太も泣きたかった。
どうにか我慢した。
「でも早く彼女欲しいとか・・・紹介してとか・・・。」
啓太が机の上にあったティッシュを差し出す。
香苗は「ありがとう。」と素直に受け取り鼻をかんだ。
「あははっ・・・あんな奴に大事な友達を紹介するわけないじゃない。ねぇ?」
そう言って香苗は笑ったが、啓太はとても笑えなかった。
/ 57ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp