• テキストサイズ

怠惰症候群

第2章 極寒


香苗の目から涙がこぼれた。
啓太が泣いている香苗を見るのはこれが初めてではない。
でもこんな、激情に任せて喚き散らす香苗は初めてだった。


「あんた達にとって大事なのは、あたしを抱けるかどうかだけでしょう!?」


香苗にとっても、こんなに喚き散らすのは初めての事だった。
どこかで混乱している自分がいる。
やめておけ、そんなみっともない真似。後悔するのは目に見えている。
いつも言ってるじゃない。全てはあたしが悪いのよ。
だから何も言うな。これ以上は止めろ。


それでももう、止まらない。





「あの人は!あたしを愛してるって言ったのに強引に抱いた!」
/ 57ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp