第2章 極寒
「セフレなんて、そんな関係、おかしい・・・!」
気付いたら啓太は香苗を責め立てていた。
自分の事は棚に上げていた。
それでも言いたくて仕方なかった。
「愛が無いのにセックスするなんて。」
確かに自分も香苗さんを強引に抱くような事をしたけれど。
自分は少なからず香苗さんを好きだと思ってした行為だ。
その後彼女を選んだりしたけど、あの瞬間は確かに香苗さんを愛していた。
「香苗さんも辛いなら断ればいいのに・・・。」
そうだ、あの日も。
嫌だとはっきり断ってくれればそれでよかった話だ。
大して拒まず、辛いのを隠して抱かれるなんて。
もしかして他の男にもそうやって抱かれて来た?
今までなし崩しで男達に抱かれてきたのなら、そんなの悲しすぎる。
「なんでもっと自分を大事にしないんですか!」
自分の体を安売りするような真似するなんて!
いくら傷付いても黙っているだなんて!
それじゃあ香苗さんは何のために生きているって言うんだ!
香苗さんみたいに素敵な人だったら、真っ当で幸せな未来があるはずなのに!