rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第12章 rain of fondnessⅤ-3
「・・・は、・・・」
「・・フッ・・・」
「っ・・・、え・・?」
「おまえ・・・やっぱり無自覚なんだな・・何もかも」
「?!」
「いいさ・・・ほら・・好きに続けてみろよ・・嬉しそうに、人のカラダ舐めやがって・・」
名無しが愛撫に慣れ、ナッシュの胸をちろちろと舐め始めた頃、彼女の手はベルトの金具へと向かっていた。
それは下を脱がせる為の他なかったのだが、ベルトを解き、ファスナーにあたる部分の釦を器用に片手で外すと、ナッシュが一度笑ったような気がして動きを止める。
目線を上げれば、そのときには既に、いつものナッシュと形容するに値した鋭い表情が自分に向けられていた。
笑われた理由は分からない・・・が、それは彼が言う通り、名無しが無自覚に器用さをひけらかしていたからだ。
素直ゆえ、欲しさゆえ彼に従う・・・。
名無しは身を起こしてナッシュの服を脱がすと、自分と同じように、下着姿になった彼の端麗な体躯を見つめ、その下腹部の膨らみに視線を送った。
「ッ・・・」
いやらしげに、一度飲んだ生唾が文字通りに生々しい。
それはそれはこの上なく所望するものが目の前に現れて、衝動的になりそうな自分を抑える気持ちが打ち砕かれそうになる。
じわりとまた滲んだ気がするのは、自身の下着の中。
たとえ生地がまだ宛がわれていても、名無しは自らの芽が、ナッシュのものと同様にひどく主張していることを感じていた。
男も女も同じだ・・・。
とうとう羞恥心に勝る性の欲望が、ひたすらに名無しを突き動かした。