rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第12章 rain of fondnessⅤ-3
「は、・・んん・・・ちゅ・・、ナッシュ・・」
何をどうすればいいかわからない。
などと・・・そんなとぼける演技すらできないことが悔しかった。
身体が覚えているのだ。
ナッシュが、今までどうやって自分を撫で回してきたかを。
それは言うならば、いつもされてきたことが仇になったとでも喩えれば都合がつくだろうか。
形容を受け入れれば、胸中にあった引っ掛かりもスッと消えた。
ついさっきまでは、恥じらって、嫌がって、拒んだ自分が確かに居たくせに――。
「っ・・・」
自分の舌を、自分の意思で止めることができないかもしれない。
名無しは愛撫を始めて早々、羞恥心に加え不安を募らせた。
時間が経てば経つほどに、その行為には積極性が含まれていて、それが膨らんでいるように思えて恐ろしかった。