rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第11章 rain of fondnessⅤ-2
履いていた下着は、その用途を果たせなくなるほど濡れている気がする。
気がするなんて、そんな言葉は表現の中の装飾に過ぎないだろう・・・きっと、確実にもうぐしょぐしょだ。
名無しは跨らされたナッシュの身の上で、彼の言葉ひとつひとつに寒気立っていた。
「ッ・・・」
いつもいやらしいことを平気で口にされる。
聞き慣れていないわけではなかったと、流石に思うことはできる。
それでも今聞いていたそれらは、群を抜いて名無しの身体を過敏に反応させていたのだ。
「名無し」
「・・・っ・・」
欲情とでも言うのだろうか・・・望んでいたものを浴びたい一心に、無意識に連ねた自身の告白に翻弄されるなんと皮肉なことか。
ナッシュは名無しを馬乗らせようとも、空いた両手はフェザータッチさえ行おうとしなかった。
それどころか、口腔を開かせ、名無しの小さな舌を指で何度も撫で回し、巧みに挑発するばかり。
あとは膝で下半身をぐりぐりと弄ぶのみで、彼女が自ら動くのを、鋭い眼をしてただただ待つばかりだった。