第45章 undress yourself.

悔しい。

悔しい、悔しい、悔しい。

それは名無しが音に出来なかった心の声を、せめて頭のなかで叫んだ、ただひとつの単語だった。

屈服させられているから悔しいわけじゃない。
犯されているのと変わらない状況に感じてしまっているから悔しいわけじゃない。

予想の出来そうで出来ない、思考のひとつふたつ先を読み、到底考えもつかないような言葉と動作でいつだって驚喜させられる。

そんなナッシュが心底格好よくて、いつまでも見惚れ、何度だって惚れ直してしまう自分が名無しは悔しかった。


「っ…あ……ァ…」


味わったことのない辱めを浴び、次は何をされるのか期待していた部分もないわけじゃなかった。

下着にも食い込み、絡みつく生地糸の締め付けが歯痒く、けれど同時にあったのは確かな心地好さ。

その下着を捲って、大好きな舌が陰部をいつものように愛でてくれるかもしれないという望みも持ってしまっていた。

結果的に不意を突かれて言葉で遊ばれ、惚れた愛しい顔を見つめている間に下肢を貫かれる。


稲妻のように駆け上がる衝撃と、奥を攻められた感触は当然、快感を伴うものでしかない。

名無しは唇を自らの唾液で濡らすほど一瞬で箍を外されて、潤んだ瞳はナッシュだけを見つめていられずに虚ろ虚ろとしていた。


「っ……ふぁ、…あん……ッ、ぃあ…ナ……」

「簡単だったな…ん……こんな奥まで……ハァ…」

「ナッシュ……ら、め…突か……！あ……」

「ハッ……また締まったな…そんなに好いのか？いやらしい足見せやがって」

「っ…ナッシュが……んん！あ……、だめ…ッだめ…」

「……ハハ…胸もこんなじゃねえか…舐められたそうに勃ってるぜ……――おまえのダメは、そうじゃねえよな？」

「！――……ば…、ッひぁ…あ……」