rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第38章 white day
ナッシュは先に起床し、身体を浴室で軽く流してからベッドに戻り、そのまますやすやと眠る名無しを抱いていた。
どんな彼女も愛しいことにかわりはないのだ。
軽く濡れ髪を拭いていた時に見た部屋の暦と目が合って、咄嗟にその場で思い描いたのは、今日という日の差す意味と、自分なりのお返し。
これでは満たし、尽す以外にまるで脳の無いバカと同じだ・・・。
そう思いながらもやめられずに名無しを抱くナッシュは、自身はとても幸せ者なのだなと感じていた。
「どっちも・・・」
「、・・・あァ?」
「っ・・・どっちも・・・って、欲張っても・・いい?ナッシュ・・・」
「!・・・バカが・・身体が足りねえよ。・・・けどまあ・・今日だけは訊いてやる。・・・名無し――」
手と手を絡ませ、唇と唇を重ね、身体の中心で繋がり合う。
澄んだ名無しの目に映る自分の嬉々とした表情を見つめ、ナッシュは小さく笑っていた。
彼女が置いた、ベッドの傍はサイドボードの上の一輪差し。
そこにあった花はまだ枯れることなく、いきいきと咲いていた――。
hapu 0314 day!!
20180320UP.