rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第31章 rain of fondnessⅪ
『どうし・・・』
『っ・・、ハハ・・ッ。しょげてやがる・・・期待したのか?』
『・・・っ、しょげてない・・!べつに、私は寝るつもりで・・』
『そんな面には見えなかったぜ』
『~・・・ッ・・』
石鹸の香りを纏う肌に少しの汗が滲む。
肌が擦れると、ナッシュはふと、名無しの頬に触れながら交わしていたキスをぴたりと止めた。
寝室に浮かんだ、甘くしっとりとした空気がふわりと宙で掻き消されてゆく。
うじゃけた雰囲気を作ったナッシュの意外さに驚けば、名無しはその驚き顔をすかさず彼に突っ込まれた。
そしてたちまち、赤ら顔には困惑したそれを重ねていた。