rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第21章 rain of fondnessⅦ-5
『!・・・ッ、や・・イ・・・――』
『ん・・?』
『――・・・たく・・、ない・・・!絶対いや・・っ!離して・・ッ』
『・・・――・・』
たとえ目の奥が熱くなっても、こみ上げる辛い想いがあってその瞳が潤んでも、流さないことに意味があると思った。
屈せば終わりだということも嫌でも分かる。
だから出来得る限りの否定を、名無しはか細い声音に乗せてみせた。
陰部から水音がわざと上がるよう、ナッシュの卑猥な指が巧みに動かされる。
感じていないという自身の言い分を真っ向から覆されても、認めたくない一心、彼を必死に突っ撥ねる。
たとえ捩れた腰が何度震えあがって、寝かされていた椅子板から浮き立とうとも、名無しはナッシュの甘い誘惑に口で応じることはなかった。
どんなに秘部がじんじんと疼き、時々勃った芽に、彼の撫でが与えられたことで更に感度があがろうとも、弱った意思に自ら火を点け、名無しはナッシュを全否定した。
微笑まじり、愉快そうに名無しを見下ろしていた彼の表情に曇天がかかったのは、まさにその瞬間だった。
そして同時に聞こえたのは、金具がうるさくこすれ合う、ナッシュがベルトに手を伸ばした、とても嫌な音だった。
『、・・・?』
『―――・・・』
『!!・・・いや・・、来な・・・っあ――・・ア・・・ッ』