rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第15章 rain of fondnessⅤ-6
「ん・・・っん・・」
「ン・・・、はァ・・んん・・・、ちゅ・・」
願わせてみれば、その願いに拍子抜けして目を見開き、呆れた様子で微笑を零す。
それでも内心は心底嬉しそうな・・・そんな表情でナッシュは名無しを見下ろした。
抱き締めていた腕により力が入り、互いの肌に浮いた汗が激しく混ざり合う。
名無しのねだったものに耳を傾け、何度だって口にさせれば、それは彼に嬉々や愉楽を覚えさせてやまなかった。
そして、確信を得たものもナッシュにはあったのだ。
「・・・―――」
『オレは・・・おまえにそれを言われるのが一番きちまうよ・・・名無し・・――』
らしくない。
それは自分にとって、まるで自ら抜き身になったように感じた言葉だった。
だから何も言わせなくするために唇を塞いだ。
奇しくも、それを彼女が望んだのだから――。
しつこいと喩えることそのものがどんなにしつこくても、追随も、妥協のひとつも許さずに彼女の呼吸を奪ってみせる。
執拗に舌を絡めながら、唾液を共有し合って、求め合って・・・互いにどんなに息が薄まろうとも、ナッシュは名無しに口付け、そのキスに最大限の恋情をこめた。