rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第1章 rain of fondness
「・・すぅ・・・」
「・・・・・」
首筋にかかった髪に触れ、手中で愛でるその行為。
頬に残る涙の跡を人差し指で辿りながら、寝息を吐く口元をそっとなぞる。
無意識に唾を飲み込み喉を鳴らす音は、しんとした部屋では大きく聞こえた。
「・・・・・――」
自分のベッドがどれほど広いか改めて感じる・・・。
ナッシュはベッドのすぐ横に立ち、名無しが眠っているその姿を傍で見下ろしていた。
音を発さずに唇を動かす、空の言葉を紡ぎながら――。