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神威の巫女【刀剣乱舞】R18

第15章 情欲と理性の間で 一期一振※執筆中


「お疲れのようですね。毎晩きちんと休まれていますか?」

「あ、その……私、あまり夜は長く眠りにつきたくなくて……」

歯切れの悪いひゅうがの言葉に、一期一振は首を傾げた。

「眠りにつきたくない……とは?何故そんな……」

「笑わないでね?寝ると、その……怖い夢を見る……から」

恥ずかしそうに言うひゅうがに、一期一振は目を丸くした。

怖い夢を見る。
だから、寝たくない。

時折、似たような理由で一期一振の弟が夜、彼の部屋に訪れることがある。

怖い夢を見たから、風の音が人のうめき声に聞こえて怖いから。
眠れないと。

それではまるで、幼子のようではないか。
一期一振はどう返答して良いか分からず、言葉を詰まらせた。

「……ごめんなさい、子供みたいな理由だよね」

一期一振の思っていることが表情に出ていたのだろう。
ひゅうがは顔を赤らめながら俯いた。

「いえ、あの、そんなことは……」

そこでふと、思い出す。
先程、ひゅうがが涙していたことを。
あの時も彼女の言う、怖い夢を見ていたということなのだろうか。

「怖い夢というのは、どのような夢なのですか?」

眠らない理由は確かに幼いが、何故あんなにも悲痛な声で涙していたのか、一期一振は気になった。

「それが……よく覚えてないの。けど、恐怖だけが鮮明に残ってて……一人で寝ると、いつもそうなる」

一人で寝ると、いつも。
一期一振はその言葉が妙に引っかかった。
なら一人じゃない時は、見ないということなのだろうか。

「まるで秋田や五虎退のようですね。眠るのが怖いなら添い寝して差し上げましょうか?」

この前の夜のように。
一期一振は冗談のつもりで笑いながら言った。

もちろん、やんわりと断られるに決まっているだろう。
そう思っていた。
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